秋晴れが続いていた。
今日は雨…。
この雨から冬が始まるらしい。
南木佳士氏のエッセイ「猫に教わる」を読了。
コロナ禍に書かれたエッセイとしては最新のもので日経や地方紙に連載を集めた一冊。
南木氏は1951年生まれ、僕より6歳年上で今年で72歳になる。
医師にして作家の氏と同一線上で語って申し訳ないが、少し先を歩く先輩の暮らしに興味を覚え、
勝手に近感を抱き、同じ内容が重複するエッセイや、私小説集を何冊も読んでいる。
「山行記」「草すべり その他の短編」「ダイヤモンドダスト」「生きてるかい?」
「トラや」「小屋を燃す」「根に帰る落葉は」
僕にとって2023年は南木佳士の年だったのかもしれない。
おたがい、出来るだけの手入れをして期間限定品のからだを使い切りましょう。
「からだの話」
こんな安楽な時を過ごせるのは期間限定であることが日に日に明らかになってくる貴重な金曜日の蕎麦と酒。
「金曜日の蕎麦と酒」
芥川賞を受賞し勤務医との両立に苦しんだ。
苦痛は忘れなければ生きていけないが、あのころのとらえどころのない不安感はまだ身の浅いところに潜んでいる気配があり、またふいの顔を出しそうな予感がある。
しかし、ありがたいことに病んでいる間に齢を重ね、生の終わりが視野に入ってきた。顔のしみが増え、尿の切れが悪くなり、眉毛が長く、白くなって、睡眠が浅く短くなった。
遅かれ早かれ死ぬのだな、との想いが、若いころのゆな観念ではなく、
からだの変容として文字通り身にしみてきた。
あの不安感が出現したところで、老いたカラダは鈍く受け入れ、
新たな老化の兆候の一つにカウントしてしまいそうだ。
図書館へ寄り、さくら夙川駅まで歩く。
川沿いの紅葉が雨に濡れて一層映える。
今月からいろいろとオプションのコーナーが増え3編構成になった。
いつもより少し時間がかかり、ナレーション収録終了。
ディスク搬入まで済ませると7時前になる。
金曜日は京橋界わいの店もどこもかしこも混んでいる。
そんな時もここは大丈夫です。
立ち吞みの「明けごころ」に立ち寄る。
有り難い。
10月始めから15分番組を2本、3分番組を1本担当した。
正規軍がクライマックスシリーズ、日本シリーズ、高校サッカー決勝と忙しい中でのバックアップ。
その間にも白馬方面、鳥取方面と2泊の旅を入れこむ。
おつかれさんと瓶ビール中とにごり酒、一人で慰労する。
店には2組いる。
一見、小松左京を彷彿とさせるでっぷり型で背広を着た初老の一人客。
そう見えるが彼も自分より年下なんだろうな。
入口近くにアラフォーのカップル。
会話を聞いていると夫婦でもつき合ってるわけではないみたい。
女性は看護師らしい。
男が勤務時間についてしつこく質問している。
なんだか隠微な空気が漂う。
そんな会話を聞きながら吞むのも一興。
いつものように京橋うどんの細うどんで〆。
今日は少し贅沢して かけ でなく竹輪天のせにする。