雪は音を吸い込む。
しずかな朝、しんしんと降っていた。
同室のS澤氏が朝風呂から帰ってきたのが6時半、僕もひとりで貸し切り風呂に浸かる。
朝食後にもう一度露天に入る。
雪が舞い落ちるのを肌で感じながら温もる。
これ以上の湯が、これ以上のロケーションが他にあるだろうか。
9時過ぎ、宿を辞し、県南部の湯沢へ向かう。
僕はO本氏の車に同乗、S澤氏は単独で横手、湯沢方面へレンタカーを走らせる。
大曲から高速を使った僕らより、地道を行くS澤氏が方が速い。
最後につかまえたけど距離的にかなり遠回りとなる。
その山間の集落にある佐藤養助総本店で合流。
酔狂にも稲庭で稲庭うどんを食べに車で2時間半かけて雪の中をやってきた。
本場の稲庭うどんは本気で旨かった。
これから稲庭うどんを食べた時には「稲庭町の総本店でオレは食べたぞ」と誇れる。
これも酔狂。
S澤氏に秋田空港まで送ってもらい、14時55分のJALで伊丹へ。
上空から浅間山、富士山、八ヶ岳、南アルプス、中央アルプスの白き峰を愛でる。
リムジンの時間が合わず、モノレールと阪急で梅田へ出る。
阪神バル地下のスペインバルでワインとピンチョスの旅の〆。
楽しき温泉行でした。