冷えこむ。
夜に自転車に乗っていると、半袖半パンでいるようにスースーする。
寒さが身にしみる。
若い頃は、いや、ついこの前まで冬は一番好きな季節で、辛さはまったく感じてない冬型の人間だった。
すべては血管のせいだ。
血行が悪くなり、皮膚の表面が冷え冷えする。
火照って寒風が心地よかった時代もあったし、高校生や大学生の頃はアウター(当時はそんな呼び名はなかったが)なし、セーターだけで外出していた。
血行を良くするには…はて、どうしたものか。
石油ストーブを出す。
去年、いや今年の1月に購入したクラシックなデザインの Blue と名づけたストーブ。
3月にメルカリで買った同じブルーのケトルをのせる。
めっきり寒さに弱くなった我が身、デスクの傍らにいてくれる頼りになるバディだ。
…とそこまではよかったのだけれど、何か必要があったのか、ガラス製の計量カップの上にケトルの蓋をつかの間置いた。
戻そうとしたら(状況説明が下手ですね)、計量カップが蓋に引っかかり落とした。
カーペットの上ならセーフだったのに、たまたまそこにブルーがあった。
パリン! と乾いたいい音を立てて割れた。
四散したガラスをヒロに手伝ってもらい丁寧に掃除する。
「こういうものはいつか壊れるよ」と慰めてくれた。
確かに。
「長いこと使ってたネコのカップだったね」
10年近く?
とりたてて愛着があったわけではないけど、いなくなると淋しい。
南木佳士の「トラや」の一節を思い出す。
朝、カーテンを開けると庭からの前の田にかけて雪がつもっている。
換気の接近の気配は日々感じられていたのだが、
いざ雪に降られてみないと、冬が来た、と実感出来ない。
出来事は、いかに予兆に満ちていても、ある朝の雪景色のように、いつも唐突に起きる。
写真には撮ってないが、こわれたカップに描かれていたねこの顔を思い出す。
劇場にかかっていた時に予告編を見て、観たい! と思っていた映画がNETFLIXで配信されていた。
小林聡美主演の「ツユクサ」という映画で、長さも1時間半と嬉しい。
共演の松重さんもよくYou-Tubeで「しゃべるノヲト」というコラムの朗読を観ている。
クロワッサンに連載されている食べものに関するコラムで、あべみちこさんのイラストが毎回美味しそう。
舞台は伊豆、小林聡美、江口のりこ、平岩紙の中年おばさん3人の会話が本物っぽくて笑った。
そうそう、同じ松重豊が出演している「逃げきれた夢」もamazonプライムで配信している。
これも今年観に行きたいと思っていた映画。
めっちゃ劇場公開→サブスクのサイクルが早いな。
今夜は毎年恒例の「澤野工房」主催のジャズコンサート。
その前の夕食は洋食。
月曜日に行った「グリル一平 西宮店」へ行く。
オープン一周年記念で単品を注文すると+1000円でビーフシチュウとオムライス小がつく。
いや、そんな量は食べられないかも、と逡巡して…ふたりでオムライス並と海老クリームコロッケを分けるという選択。
で、すぐに後悔した。
ひとりが海老クリームコロッケ+1000円、ひとりがオムライス小にすれば良かった。
「もん」と違って「一平」のオムライスは食べられる量だ。
「ヨス・ヴァン・ビースト トリオ」@芸文センター小ホール。
澤野工房のジャズは人気があるのか、B席しかとれなかった。
でも、真後ろではなく、ピアニストの顔がよく見える良席でした。
客層は見事に高齢者、平均年齢はおそらく六十代かと。
ビースト氏はポスターと違って髭をたくわえカーネル・サンダースのよう。
太っちょハゲのベースマンと俳優のデビット・モース似のドラムス(メンバー変更)のトリオ。
ヴァン・ビースト氏のアルバムは2枚持っている。
2枚ともパートナー(?)のVocal マリエル・コーマンさんとのデュオアルバム。
リリカルな美しいピアノのヨーロピアンジャズ。
ビースト氏はオスカー・ピーターソンをリスペクトしているという。
その通り、細かい音が散りばめられた音数の多い繊細な演奏。
後半、ドラムスのソロ(ピアノとベースは一時退場)あたりから盛り上がる。
アンコールで定番のクリスマスソング、ホワイトクリスマスで拍手。
最後はバイバイブラックバード。
ヒロも楽しそう。
9時過ぎに終了。
エントランスで沢野さんを見た。
73歳、元気そうだった。
ビースト氏は1956年生まれ、僕よりひとつ上だが同学年。
オランダでどんな人生を送ってきたのだろう。
冷えこむ。
「Baby, It’s Cold Outside(外は寒いよ)」
クリスマスジャズの定番です。
こんなのもあった!
自転車で自宅までの道が辛い。
これくらいの寒さが好きだったのにな。