大阪一泊二日出張。
「旅に出られないなら日常を旅にすればいい」
というコンセプトなのこれは?
カプセルホテルで5時45分にアラームが鳴る。
寝る前に音量は小さめにしたつもりだったが、けっこうなボリュームだった。
驚いて左足のふくらはぎが攣った。
危うく死ぬとこだった。
カプセルにて死す。
これは嫌だ。
7時過ぎから番組の頭付け収録。
夕方から負荷の大きい編集チェックがある。
いつものようにぽっかり空いた時間を持て余す。
することもなく、グダグダするのが常だが、これはこれで疲れることが経験上知っている。
9時過ぎにひたすら睡魔が襲い、仮眠室で30分。
10時から清掃が入るのだ。
意を決して(おおげさな)、意を決して映画を観ることにした。
尼崎へ移動、チケットを買って、「松屋」という個人経営の立ち食いうどんで朝食とする。
新しいビルの一階に入っているが、おそらくキリンビールの工場があった頃から尼崎にあったのだろう。
店も、うどんを温めるおばちゃん二人も、かなり年季が入っている。
きざみうどん310円を注文。
「こういうのでいいんだよ」 by 井之頭五郎
少し塩味が強い。
昼前、次々とくたびれた労働者たちが入ってくる。
○○うどんとおにぎり二個、これが定番みたいだ。
腹がふくれたらいいんだよ、という炭水化物一本の昼飯。
さっと食べて10分以内に出て、一服して、仕事だ。
僕みたいに自堕落しない真っ当な労働者たち。
ここはそんな人御用達の店だ。
夜は23時までやっている。
一杯呑んだあとの〆にうどんを食べるのだろう。
昨日まで知らなかったこの映画を観ようと思ったのは例によってブログの導きだった。
spyboy.hatenablog.com「カメ止め」的にヒットしているらしい。
時間つぶしにいいかも、くらいにハードルを低く設定して観る。
11時45分の上映回、シネコンのスクリーンもそこそこ大きい。
客も100人近く入っていた。
現代の時代劇撮影所にタイムスリップした幕末の侍が時代劇の斬られ役として奮闘する姿を描いた時代劇コメディ。
幕末の京都。会津藩士の高坂新左衛門は家老から長州藩士を討つよう密命を受けるが、標的の男と刃を交えた瞬間、落雷によって気を失ってしまう。目を覚ますと、そこは現代の時代劇撮影所だった。新左衛門は行く先々で騒動を起こしながら、江戸幕府が140年前に滅んだことを知り、がく然とする。一度は死を覚悟する新左衛門だったが、心優しい人たちに助けられ、生きる気力を取り戻していく。やがて彼は磨き上げた剣の腕だけを頼りに撮影所の門を叩き、斬られ役として生きていくことを決意する。
テレビドラマ「剣客商売」シリーズなど数々の時代劇に出演してきた山口馬木也が主演を務め、冨家ノリマサ、沙倉ゆうのが共演。「ごはん」「拳銃と目玉焼」の安田淳一が監督・脚本を手がけ、自主制作作品でありながら東映京都撮影所の特別協力によって完成させた。一部劇場ではシーンを追加した「デラックス版」が上映。
2023年8月17日に池袋シネマ・ロサの一館のみで封切られ、口コミで話題が広まったことから同年9月13日からはギャガが共同配給につき、新宿ピカデリー、TOHOシネマズ日比谷ほか全国100館以上で順次拡大公開される。2023年製作/131分/G/日本 配給:ギャガ、未来映画社 公開日:2024年8月17日
いやはや、疲れがとれるくらい(?)楽しめた。
あんまり期待しないでしばらく観ていたけど、ラスト10分でじわっと泣けた。
ラストシーンの撮影(果たし合い?)はどっちが勝つのか? どんな結末が待っているのか?
これまでの時代劇大作でも味わったことのない緊張感と斬り合いの迫力。
思わず息を止めてスクリーンに見入ってしまった。
ブログのSPYBOY氏も書いている。
コメディ映画です。でも笑って泣いて感動させる、この映画には驚くべき魔法がかかっています。誰一人として有名な役者さんも出ていないのに、どうしてここまですごい演技ができるのか。どうしてここまで感動させるのか。
この魔法は大きなスクリーンでしかわからないと思います。
その通り、大スクリーンの前で魔法にかかった。(笑)
出演する役者がほぼ全員知らないというのも先入観なしで観られて良かった。
韓国映画と同じように見られた。
SPYBOY氏も指摘していたが主演俳優の殺陣や正座姿、その型が美しい。
ほとんどの俳優やスタッフがやっつけ仕事ではなく手弁当でいい仕事をしようと頑張ったのだろう。
いいものを見た。
江戸時代の侍がいちごショートを食べるシーンが印象的だ。
ぼくら夫婦がいつも言う。
「わたしらええもん食べてるよね。それだけで昔の人に比べて幸せだよね」と。
それと今年の2月、会津若松に二泊して、彼の地の歴史を知った。
この映画の主人公が会津出身で京都守護に赴いた下級武士であるというも沁みた。
さて、現実に戻らねばならない。
編集チェックにまた大阪へ向かう。
予想通り疲れる作業だった。
でも、予想の範囲内でホッとした感じもある。
夜は久々に西ノ宮駅前『万(ばん)』のカウンターに座る。
調べたら4年ぶりだった。
2020/09/07 Mon. 雨やどり - ぷよねこ減量日記 since 2016
このカウンターは広くて落ち着くのだがいつも混んでいた。
京風おでん5種と鰤の西京焼き、焼きおにぎりで呑む。
今月はいまだ9勝どまり、7連敗中。
そろそろ連敗ストップとしたいが、ストレスは避けられない。
せめてあと1勝して二ケタ勝利で終えたい。