柏原市にある介護付老人ホームへマサオ(64)の面会に行く。
今回は勝手なミッション、テレビジョンなる文明の利器を携えて。
2月に本を届けに行った時は、彼の無気力、世界への無関心に残念な思いだったが、
3月末に小型の再生機と黒澤映画を録画したDVDを送ってから毎日のように映画の感想を送ってくるようになった。
もともと野球や相撲やラグビーなどのスポーツ中継には興味があった。
センバツ高校野球もサンデー毎日の特集号の情報を得て、ずっとラジオ中継を聴いていたようだ。
「テレビはないのか?」と問うと「ない。余ってたら欲しい。」とのこと。
amazonで探すと14インチ液晶のものなら1万弱である。
アンテナコードと合わせても1万ちょっと。
DVDも14インチの画面で見られる。
ならば…と購入した。
数日前の予報では午後から雨は上がるはずだったが、しとしと冷たい雨が降り続く。
雨合羽を着て昼イチで出る。
雨なのにイソヒヨドリ君が歌っている。
けなげだな、と思う。
阪神西宮から阪神〜近鉄と乗り継いで鶴橋で青山町行急行に乗り換え河内国分駅へ。
駅ビルのライフで鉄火巻とクラッカーを買ってタクシーで行く。
今日は風呂の日。
風呂上がりでさっぱりしたマサオが車いすで待っていた。
来ることは伝えてあったので、普段はベッドに座っているが僕のためにベッドを空けておいたのだ。
さっそくテレビのセッティング。
衣装ケースの上はテレビの置き場所として片付けたのかさっぱりして何も置いてなかった。
事前に延長コードがないと聞いていたので余っていた電源タップを持ってきた。
電源を入れ、アンテナをつなぐ。
以前に「ここはNHKと8チャンしか見れない」とマサオが言ってたが、
NHK、主要な民放、テレビ大阪、サンテレビ、KBS京都まで入る。
これで阪神戦中継が見られるやん。
よかった。
昼間は車いすでテレビやDVDの番組録画を観て、夜はベッドでDVD再生機で映画を見るという。
このテレビには外部メモリーでの録画機能もあるのだが安物なのかメモリーを認識しない。
ま、いいだろうと録画機能は放棄する。
4時前、老人ホームを辞す。
しとしと雨は降り続くが傘を差すほどではない。
最寄りの大阪教育大学前駅まで歩く。
駅のホームは若者たちで埋まる。
コントラストが眩しい。
布施で途中下車。
かつてコロナ禍の2021年に訪れたことのある布施駅前の角打ちへ行く。
当時もそうだったが、ここは常連さんの立ち話に耳を傾けながら吞む。
2021/02/06 Sat. 石切さんから歩き始めて… - ぷよねこ減量日記 since 2016
4時半過ぎに入ったのだが、常連さんのトシヨリ連中がひとりひとりやって来る。
「雨止むいう予報やったのにな」
きのう図書館で借りたこの本は面白い。
自転車ツーキニストが書いた歴史紀行もの。
椎名誠風の昭和軽薄体で書かれた日本史がすいすい読める。
まだまだ行きたいなと思える場所が国内にある。
いや、今となっては海外より国内の方が興味がある。
これは老化か、成熟か?
河内のやさぐれ感あふれる布施の商店街を歩く。
マサオに鉄火巻を持っていったせいか、寿司をつまみたくなる。
「廻る元禄寿司」を発見!
全国チェーン総本部とある。
どうやら回転寿司 発祥の店らしい。
なにやら石碑もある。
いまや「スシロー」「くら寿司」「かっぱ寿司」「はま寿司」と大盛況の回転寿司。
実際にはほとんど寿司は廻っておらず、注文はタブレットで、ベルトコンベアは配膳のためにだけある。
でも、さすが発祥の店。
しっかり廻ってました。
しかも注文は口頭。
なんだかホッとする。
調べたらなかなかの人気店であるらしい。
酒類は吞まず5皿食べる。
さすがに安い。
生まれて初めて回転寿司なるものに入ったのはいつだったか。
おそらく金沢にもあった元禄寿司だったと思う。
帰宅、寝る前に「ドキュメント72時間」を観る。
コロナ禍前の2019年にオンエアされた東京のシェアオフィスの人々。
みんなそれっぽいなあ、みんな働くのが好きなんだなあ、とか
アホのような感想を抱きつつ魅入ってしまう。
以下、きょうのフォト&キャプション追加分です。