朝、6時過ぎに起床。
あらかじめ決めておいた西宮7時9分発の快速電車に乗ろうと家を出る。
十分に間に合う時間に出たのに途中でiPhoneを忘れたことに気づく。
もちろん戻る。
思えば先々週の鳥取行きのときも必携の運転免許を忘れて取りに帰った。
バタバタと慌ててパッキングしたのではない。
そのときも今回も十分に余裕を持って準備していた。
自分の脳内のどこかが壊れていく。
10分以上のロスで予定の便に乗れなくなる。
余裕をもって名古屋に着き、ホームのきしめんを食べようと思ったスケジュールだったが……仕方ない。
新大阪からの新幹線のぞみは自由席。
自由席は混んでいたが何とか座れた。
名古屋からの特急しなのも自由席、窓際を確保する。
特急で木曽福島駅で乗り換える。
以下は行動録を記す。
昼前に奈良井駅着。
このルートはいつかヒロと歩こうと思ってとっておく。
奈良井宿は時代劇のセットみたいな家並みが1キロ以上続く。
見応え、歩き応えのある宿場町だ。
13時24分発の松本行き普通に乗る。
奈良井駅のホームはインバウンドの観光客で溢れていたが、なぜか普通に座れた。(?)
車窓を見ながらある歌を思い出す。
塩尻で諏訪方面に乗り換える。
待ち時間は44分もあった。
塩尻から塩山行き普通に乗る。
上諏訪には少し遅れて15時に到着。
ここで酒友A部氏と合流する算段だが、奈良井を2時間近く(休憩含め)歩いたのでぐったり疲れていた。
要するに早朝から動いていたのでカラータイマーが鳴り始めたのだ。
きょうの宿「民宿すわ湖」へチェックインする。
待ち合わせまでわずかだが時間が少しあるので温泉につかる。
熱めの湯だった。
これが良かった。
疲れが消えた。
一時的に血のめぐりが良くなって、血液中の老廃物が腎臓に運ばれたのだろう。
…と勝手に想像するが疲れなくなったのは確かだ。
果たしてこれが身体にいいのかは不明。
上諏訪駅の観光案内所前。
午後4時、これから2つほど酒蔵めぐりをする予定。
「すみません。 また、迷ってしまいました。少し遅れます。」とラインが入る。
例によってA部氏は道迷いしたらしく遅れている。
現在地を聞くと駅まで来ると大回りになるので最初に訪ねる酒蔵「舞姫」へ直に来てくれと指示する。
「舞姫」で合流。
ここで諏訪五蔵の酒蔵めぐりの試飲セット(ごくらくセット)を2500円で購入する。
諏訪五蔵|舞姫、麗人、本金、横笛、真澄 甲州街道沿いわずか500mに並ぶ5軒の酒蔵
舞姫という銘柄は知らなかった。
聞けば「舞姫は地元のスーパーなどに並ぶ酒で、地酒店には『翠露(すいろ)』という名前で出てます」とのこと。
『翠露』は松本の酒屋で買って飲んだことがある。
美味しかったという記憶あり。
A部氏とウハウハしながら5種類を飲んでいく。
どれも旨い。
差は…よくわからない。
でも愉しい。
愉しければいいじゃん。
この諏訪五蔵の存在を知ったのは9月にYou-Tubeで観た太田和彦氏のテレビ番組だった。
その旅に、諏訪の5つの酒蔵めぐりと片倉館の千人風呂と湖畔の居酒屋が出てきて、
ミーハーにも、これを全部トレースしようと思い立ち提案した。
加えて今年観た映画「怪物」の舞台も架空の町ではあるが明らかに諏訪だった。
太田氏が飲んでいた居酒屋は「あかり」という下諏訪の湖畔の店。
上諏訪駅から4.5キロほどある。
10年前なら歩いていこう、となっただろうと想像するが、そこは高齢者、電車移動とする。
それでもタクシーは使わないのが “歩ける” トシヨリだ。
暗い夜道を歩いて半時間ほどジグザグに湖畔への道をたどる。
「いまどきこんな地方の暗い夜道を歩いて吞みに行く高齢者いますかね?」
諏訪湖畔、「あかり」の灯りを観たときはホッとする。
ここまでの道のりも美味しさが何割かアップされるはず。
サッポロ赤星中瓶、下諏訪の地酒「御湖鶴(みこつる)」の熱燗で美味しい料理を堪能する。
カウンターではなかったので店主夫婦と話は出来なかったが満足です。
(常連らしき二人組がカウンターにいたので)
帰りはタクシーを呼ぼうかと思ったが、いい時間に電車がある。
来た夜道をふたたび歩き、下諏訪駅へ。
まさかこんなトシになって、こんなふうに地方都市で、がっつり歩いて吞みに行くなんて 若い頃は想像もしませんでしたね、と二人で笑う。
上諏訪に着き、コンビニに寄り、それぞれ別の宿へ戻る。
温泉町らしくA部さんのホテルにも露天風呂があるらしい。
「上諏訪の湯♨️いいですね。滑らかな肌触りが心地よい。明日朝も入りそうです。」
とラインメールが入る。
こちらも内湯を独りじめ。
湯は昼に入ったほど熱くはなかった。