ぷよねこ日々御留書 since2023

「にちにちおとどめがき」 毎日更新 日々の記録です。

2023年11月20日(月) 諏訪五蔵めぐり〜片倉館〜飯田 Day 2

舞姫酒造」にて、きのう返し忘れたプレートを返す。

 

諏訪の 民宿すわ湖 で目覚める。

朝湯が最高に気持ちいい。

朝食付8畳和室5700円、夕、夜、朝と3回温泉につかる。

9時チェックアウト。

酒蔵めぐりの待ち合わせ時間まではまだ1時間ある。

荷物を預けて諏訪湖の湖岸へ散歩。

湖上を吹き抜ける風が冷たい。

10年ほど前にこの湖岸公園で市民ランナーを撮影した。

きょうは平日、ジョガーは一人もいなかった。

諏訪湖岸で四股を踏んでみた。

 

10時から諏訪五蔵めぐりの後半戦スタート。

3つの蔵、麗人、横笛、真澄の順番で時間をかけてゆっくり試飲しながら巡る。

酒の味はもちろん、それ以上に蔵の歴史を知り、たたずまいを味わい、蔵のスタッフとの会話が愉しい。

試飲するスペースも蔵それぞれ。

麗人はどこか化学実験の場みたいでいただけない。

横笛はちょっと暗めの道路に面した角打ちっぽいカウンター、ここはいいな。

真澄は中庭に面したラウンジスペースのようで清潔でモダン。

団体客も受け入れられる広さもある。

真澄の女性スタッフが言う。

「試飲にはいろんな方がいらして、コインのかわりに100円玉入れたり、受けるカップを置かずにボタンを押す人もいます」

この五蔵めぐりは10年ほど前からやっているらしい。

「以前は試飲グラスでこの線まで入れて提供してたんです。」

それだと30mlほどになる。

一つの蔵で5種類、150ml、ほぼ一合ほどになる。

これを5蔵なら五合か…。

酔って立てなくなる人もいるだろうな。(笑)

今は一種類15mlから真澄だけ20mlです。

 

向かい合わせに酒蔵がある。

このスペースいいでしょ。

真澄の宮坂酒造は威風堂々の店がまえ。

 

真澄は大きな蔵でショップにも十分な人数のスタッフがいるが、本金や横笛のような小さな蔵は大変だろうな。

時間の無い人は、真澄プラス1くらいでも楽しめると思う。

まもなく新酒の季節、真澄で杉玉づくりをしていた。

なるほど、杉玉の球形は竹で編んだものだったのか。

これに杉の葉をデコレーションするのだ。

 

ほどなく新酒の季節、杉玉を作っていた。

スタンディングバーのような試飲スペース

諏訪五蔵コンプリートです!

 

真澄を出たのがお昼過ぎ。

髙島城(湖上の浮城)まで歩く。

維新後に廃城となり、昭和45年(1970年)に再建された天守がある。

木製でなかなか趣のある再建天守だった。

本丸跡は紅葉が美しい。

 

諏訪は何度も来ているのに高島城は初めて…だと思う。

 

太田和彦氏のトレース旅、今回のもうひとつの目的地は片倉館。

当地で絹産業を興した片倉財閥が作った温泉保養施設が今も公開、利用されている。

シルクエンペラーが遺した近代の産業遺産のひとつ。

【国指定重要文化財】財団法人片倉館

シルクの殿堂「片倉館」

 

本館を見学し、お目当ての千人風呂〔750円)へ入る。

日本最大の銭湯(天然温泉)だ。

ここでテルマエロマエのロケが行われたという。

スイミングプールのような広さで、深さは1m10とたっぷりの湯量であったまる。

千人風呂 | 【国指定重要文化財】財団法人片倉館

 

千人風呂の2階でビールを飲む。

レトロなホールで休憩室と食堂になっている。

A部氏はざるそば、僕はライス少なめのカレーにした。

 

どこを切り取っても絵になる。

かつては凍結したという湖面、風に波立つ。

 

朝9時から昼3時まで歩いて諏訪観光。

ちょうどいい時間と運動量、風呂に入ってビールを飲んで大満足の半日だった。

A部氏は塩尻泊、あすは一人でワイナリーを巡る。

僕は飯田線で飯田へ行く。

あすは城下町飯田を歩くつもり。

奈良井宿、諏訪の酒蔵、片倉館千人風呂、安西水丸氏の城旅紀行「ちいさな城下町」にある飯田を歩き、愛知の実家へ。

これで今回の旅は満願成就だ。

 

上諏訪発16時26分飯田線経由豊橋行きの乗客となる。

上諏訪始発なのでクロスシートの窓際席を確保。

84.4キロを3時間近くかけて行く。

関西なら西宮から和歌山ほどの距離、紀州路快速をつかって1時間半。

飯田線だと倍かかる。

 

上諏訪駅、背後の山々は紅葉の盛り。

 

飯田線は高校生の帰宅列車だった。

ある駅から数人乗り込み、ある駅で下りる。

またその駅から数人が乗り、ほどなく下車する。

飯田線がなかったら彼ら彼女らはどうなるのだろう?

電車は暗い鉄路をゆっくり進む。

 

少し遅れて7時半ころに飯田に着く。

飯田の夜は食堂でおでん飲む、と目論んでいた。

飯田は焼肉の町らしい。

一人焼肉も悪くはないが胃腸のことを考慮しておでんにした。

飯田のおでんはねぎ醤油ダレで食べるらしい。

あらかじめ調べておいた店「すゞめ食堂」だ。

食堂の部屋と居酒屋の部屋が分かれているらしい。

食堂には誰もいなかったので、赤ちょうちんの灯った方の戸を開ける。

小さなカウンターに6席くらいのこぢんまりしたスペース。

なかなか趣がある。

 

「すゞめ食堂」の赤提灯が見えた。

 

白髪頭の地元の爺さまがひとり飲んでいた。

カウンターの女性に「あんた、今年でフィーバーか!」と言ってたので、彼女は五十五なのだと察した。

「あんたがこーんな子供の頃から知っとるでもんで」

と小学生くらいの背を示す。

熱燗をもらう。

肉厚のグラスに注がれて出てくる。

おでんは、厚揚げ、糸こん、里芋。

小皿に葱だれがついてくる。

「この前、ケンミンショーが取材に来たんですよ」

姫路のしょうがダレのおでんに似ている。

彼女の言葉に東三河の方言を感じ取る。

ししゃもの牡があった。

さっきの爺さまに倣って、熱燗をもう半分、と注文する。

 

ひさびさに食べた牡のししゃも

 

迷ったが〆はなし。

15分ほど歩いて知久町にあるホテルにチェックインする。

イイダステイというおそらくリニューアルしたホテルで、全てが無人だった。

部屋はオールツイン。

ベッドのクッションがちょっと柔らかすぎるような…。

風呂に入ってほどなく寝入る。