午前中は映画を観る。
いつも空いている尼崎なのに、そこそこ人は入っていた。
エアコンは効きすぎ、対策にウインドパーカーを着るがそれでも寒い。
「君たちはどう生きるか」@MOVIXあまがさき
宮崎駿監督が「風立ちぬ」以来10年ぶりに手がけた長編アニメーション作品。
「千と千尋の神隠し」で当時の国内最高興行収入記録を樹立し、ベルリン国際映画祭でアニメーション作品で初となる金熊賞、ならびに米アカデミー賞では長編アニメーション賞を受賞。同作のほかにも「風の谷のナウシカ」「もののけ姫」「ハウルの動く城」などスタジオジブリで数々の名作を世に送り出し、名実ともに日本を代表する映画監督の宮崎駿が、2013年の「風立ちぬ」公開後に表明した長編作品からの引退を撤回して挑んだ作品。宮崎監督が原作・脚本も務めたオリジナルストーリーで、タイトルは宮崎監督が少年時代に読み、感動したという吉野源三郎の著書「君たちはどう生きるか」から借りたものとなっている。
タイトルとポスター1枚が発表された以外、映画の内容やキャスト、スタッフの情報なども明らかにされず、一切のプロモーションが行われないまま劇場公開を迎えるという異例の体制で話題を集めた。2023年製作/124分/G/日本 配給:東宝
宮崎駿の映画はもっとわかりやすかったと思う。
ストーリーも登場人物もテーマ(こめられたメッセージ)もどうにもわかりにくかった。
僕がファンタジーを苦手としているせいもあるだろう。
これまでの「千と千尋…」のような迷宮ファンタジーものともテイストが違った。
何の予備知識もなかったし、まあそれもありだな、と思って見に行ったが…。
「君たちはどう生きるか」は宮崎駿作品としても、ジブリ映画としても好きな映画ではなかった。
観てからネットでいろんな人のレビューを読んだ。
あれは何のメタファーなのか?
汚れていない石が象徴するものは?
なぜ少年はあれほどまでの熱意で危険を冒して異世界へ飛びこんだのか?
なんで案内役(挑発役)がアオサギなのか?
この映画、難しい。
そうでもないですか?
前作が「風立ちぬ」で2013年公開。
10年ぶりですか…。
「風立ちぬ」は好きだった。
冒頭の緑の田園上空を舞う飛行機のシーンから、恐ろしい関東大震災や世界恐慌のアニメ表現、軽井沢の保養地の叙情。
教訓的なメッセージは感じられなかった。
宮崎監督の少年時代のあこがれと感傷、センチメンタリズムが好きだった。
ちょうど10年前、日記にこんなことを書いていた。
映画に登場する人たちはみんな若い。
堀越二郎も、里見菜穂子も、本庄も、黒川も、みんな今のぼくよりずっと若い。
なのに、みんな与えられた時代を潔く生きている。
みんな何もかも失ってしまうのに…。
貧困、病気、震災、恐慌、統制、弾圧、そして戦争。
いちど点火された炎は逃げ場のないほどの早さで世界を焼き始める。
そんな時代、ぼくはどう生きただろうか? と映画を見終わって思った。
悲しいけど、どうしてだろう?
清々しい気持ちになるのはなぜだろう?
2013/8/12 "Le vent se lève, il faut tenter de vivre." - ぷよねこ減量日記 2009/5-2016/1
思い出しながら尼崎駅の立ち食い麵屋でカレー蕎麦を食べた。
火を操る少女ヒミの声は…あいみょんだな。
最初、あれ?と思った。
ちょっとした違和感があった。
堀越次郎の声は庵野秀明で違和感はあったけど最後は気にならなくなった。
あいみょんの声は好きだ。
何故?
あれは宮崎駿監督本人だったのか…と思い当たる。
監督があの時代を描くとき、主人公はブルジョワ階級だ。
「風立ちぬ」でも同じだった。
空襲で路頭に迷う子どもたちや戦争で勤労奉仕する貧しい家庭の子ではない。
その方がわかりやすいのに選んだのは富裕層だった。
宮崎家のルーツに理由があるようだ。
雑務を処理して早めの夕食。
どこもかしこも街は人で溢れてうんざりする。
コロナ禍の静けさはもうない。
京橋の回転寿司「くら寿司」でパーテーションに逃げこむ。
寿司8皿とかけうどんを食べる。
かけうどんは180円、自販機のうどんと同じ味がした。