トシを食うということは、面倒くさくなってゆくことだと思った。
行動のペースが落ち、エリアは狭くなっていく。
スピードが遅くなることは必然世界が狭くなるということで、
自宅から数キロ圏内、1キロ圏内、もっと先には家の中、その先には寝床…。
少し前、4年前(2019年)の日記を読み返す。
今よりペースは速く、エリアは広かったことに気づかされる。
コロナ禍の3年はどう作用したのかなと考えたりもしたが、結局は行き着く先は同じ。
フィニッシュタイムが早いか遅いかの違いかと思うに行き着く。
いや、違うな。
苦しみながら、そこにたどり着くのと、るんるんとはいかないけど、愉しみを携えて行き着くのとは違うな。
そのために自らを律したり、踏みとどまったり、ちょっと頑張ったりするのは悪いことではないか。
あのころ、もう少しだけ面倒くさいに抗ってたら…
と、10年後の。いや5年後、3年後の未来から来た僕はそう思うだろう。
3日連続で映画館へ行く。
きょうは「ちひろさん」と同様、コミックが原作らしい。
オリジナルは読んでない。
当初は塚口サンサン劇場で「パリタクシー」を観ようと思ってたが、昨日で上映終了だった。
計画を立てるときの注意力散漫。
ま、よくある。
いまも昔も。
「水は海に向かって流れる」@TOHOシネマ西宮
田島列島の同名コミックを、広瀬すず主演、「そして、バトンは渡された」の前田哲監督のメガホンで実写映画化。
高校に入学した直達は、通学のため叔父・茂道の家に居候することに。しかし最寄り駅に迎えに来たのは、見知らぬ女性・榊さんだった。しかも案内されたのはシェアハウスで、会社員の榊さん、親に内緒で会社を辞めマンガ家になっていた叔父の茂道、女装の占い師・颯、海外を放浪する大学教授・成瀬ら、くせ者ぞろいの住人たちとの共同生活が始まる。いつも不機嫌そうだが気まぐれに美味しいご飯を振る舞ってくれる榊さんにいつしか淡い思いを抱くようになる直達だったが、彼と榊さんの間には思わぬ過去の因縁があった。
広瀬すずが榊さん役で主演を務め、「キングダム」の大西利空が直達、「横道世之介」の高良健吾が茂道、アニメ映画「かがみの孤城」で主人公の声を担当した當真あみが直達の同級生で颯の妹の楓を演じる。2023年製作/123分/G/日本 配給:ハピネットファントム・スタジオ
悪くない。
映画の空気感、ストーリーは悪くない。
でも、ちょっと長いな。
主人公の榊さん役の広瀬すずは27歳くらいの設定。
実年齢の25歳に近い。
「海街ダイアリー」(2015年)では中学生か高校生役だった。
あれから8年が経つ。
「ちはやふる」や「ラストレター」でも高校生役だった。
いつまでも高校生やってるわけにはいかないだろうけど。
今回の榊さんはいつも不機嫌なワケありの大人の女性。
それなりに演じてたけど、ちょっとだけ無理してるなと感じる。
何より化粧が濃い。
童顔なのでそうしないと年相応に見られないというのもあったのだろう。
母親が駆け落ちして家を出て傷ついた少女という設定は「海街ダイアリー」と被る。
映画の中で榊さんが作る料理は旨そうだった。
かなりワイルドで、いわゆる男の料理だったけど。
牛肉たっぷりのポトラッチ丼、生卵を落としたカレーライス、大量のうで卵とポテサラ。
餃子は出てこなかったっけ?
映画を見終わったあと、無性に餃子が食べたくなり、冷凍餃子を買って帰った。