まだうす暗い4時台にトイレの起きる。
前夜は8時過ぎに寝た。
8時間は目が醒めなかった。
優秀だ。
もういちど布団に入って5時過ぎまで寝る。
少し寒いくらい。
いまごろ下界では…?
山は涼しいよ。
6時に朝食、山小屋の食堂の窓から朝の光を浴びた緑の高原と鳥の声。
「てんきとくらす」の登山指数はA、朝から晩までテンクラAだ。
同じ部屋のペアルックの夫婦(新婚?)は早々に出発した。
支度して7時に出発。
室堂への道 トンビ岩コースへ入る前にテント場に立ち寄る。
10年前に来た時、ここにハクサンコザクラが咲いていたはずだ。
季節を一週間、二週間ずらすと花の咲き方、種類が一変する。
テント場への道、日当たりのいい斜面にハクサンコザクラが大群落を作って咲き誇っていた。
一面のサクラ色。
10年前はもっと規模が小さかった。
「これだけで元がとれたね」とヒロと笑う。
苦戦した昨日の登りのことは忘れている。
【行動ログ】
南竜山荘〜南竜が馬場野営場〜トンビ岩〜室堂〜弥陀ヶ原〜エコーライン分岐〜甚ノ助避難小屋〜中飯場〜別当出合〜[🚌 シャトルバス]〜市ノ瀬ビジターセンター〜 [🚕レンタカー]〜JR福井
城町アネックス 泊
07:07 登山スタート 〜 10:44 室堂センター 〜 別当出合16:21
9時間23分 休憩1時間46分
距離8.5㎞ 標高差 446m(登り)1267m(下り)
ウエア:ユニクロUVカットパーカー(ネイビー)、ユニクロドライEXTシャツ
LLビーントレッキングシューズ
南竜山荘(2077m)から室堂(2446m)までは3本のルートがある。
距離が長いのがアルプス展望コース、短いのがエコーライン。
この2つは今まで何度か歩いた。
今回歩くのは初めてのトンビ岩コース、距離も所要時間も中間で、沢を詰めてトンビ岩という大岩を経由する。
7時台はまだ涼しい。
長袖のパーカー、ジョガーパンツで歩き出す。
たまたまだけど、全身ユニクロだ。
トンビ岩コース、谷を詰めるほどに景色が変わり、お花畑が次々と現れる。
いいなあ。
夏の山の魅力がこのトンビ岩コースに詰まっている。
空青く、空気が清んで、景色が美しく、風が心地いい。
足もとに花が咲いて、遠くには北アルプスの山並が見える。
それだけで生き返ったような気分になる。
これだよ、これ。
久しく忘れていた夏山だ。
収支で考えるものではないが、涼風を浴びて夏山を歩いているとそれだけで元がとれたような気がする。
いい。
晴れた夏山はいい。
日が高くなり、背中が炙られると苦しくなる。
花や山、景色の写真を撮りながらのスローペースなのがいいのか、リズムが安定せずに逆効果なのか。
基礎体力の問題ですね。
トンビ岩を経由して室堂、室堂がフリーズドライのカレーライスの昼食。
最高峰の御前峰は体力温存、下山時間確保のためにパスした。
11:45から下山開始、エコーラインは天空の散歩道、その後は砂防新道の長い下りに耐えて16:21に別当出合に到着する。
バスで市ノ瀬ビジターセンターに戻ったのは17時前だった。
足が遅い。
予定していた時間から大幅に遅れている。
帰りのサンダーバードは福井を17時44分発。
福井駅まで早くて1時間半のドライブ。
しかもガススタンドにも寄らないといけない。
サンダーバードは自由席にするとして、タイムズレンタカーに遅れる旨を電話する。
19時頃には戻れると思います と言うと、営業時間は18時までだと言う。
えええええ!?
無理じゃん。
確認してなかったがレンタカーは普通20時まで営業してるのでは?
18時で終わり?
1時間半はかかる。
ぶっ飛ばしていけば18時過ぎには着くだろうが、もとよりそんなリスクは冒したくない。
どうすればいい?と問うと…。
「一日延泊してもらって、翌朝に返却ということになります。」
対面応対がマストらしい。
それはわかるけど…。
西宮まで乗って帰ってもらって、現地のタイムズで乗り捨てという手もあるらしいが、そんなしんどいことはしたくないし、高速代もかかるだろうし、どっちにしろ営業時間内には返せない。
困った。
福井駅前の駐車場に入れて、あしたまた福井に日帰りする?
それもかなりの出費だ。
ヒロが着替えから戻ってきたので経緯を話すと。
「だったら一人だけ泊まれば? 明日仕事じゃなかったら」
その手があったか。
「JRの乗車券は有効期限内だし、特急券は払い戻しできないけど」
レンタカーもあすの9時半までに返せば追加料金は要らないはずだ。
福井延泊を決める。
その方が身体も楽だ。
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トンビ岩で休憩する。
誰もいないのでヒロがトンビ岩によじ登る。
一瞬、遭難事故の記事が頭に浮かぶ。
「24日、白山で登山者が滑落したとの報せがあり、救急隊員がかけつけ救助にあたりました。転落したのは兵庫県西宮市の〇〇弘子さん 64歳で、白山の登山路にあるトンビ岩と呼ばれる大岩によじ登り転落したとのこと。昨今の登山ブームで高齢者の遭難事故が相次ぐ中、石川県はよりいっそうの注意を呼びかけています」