過去にタイムトラベルしてみた。
2015年12月、いまから8年前に書いた日記にこんなことを書いた。
僕は58歳だった。
これからの5年を思う。
2011年〜2015年は自分の生活レベルではさして大きな変化はなかったように思う。
静かな後退戦といった感じだった。
2016年〜2020年、次の5年、59歳から63歳の自分を想像する。
今までとは違う変化が確実に訪れるだろう。
肉体的にも、精神的にも、経済的にも、自分のとりまく社会も。
この5年という時間の旅を、どんなふうに楽しむことが出来るだろうか。
作家の言葉に覚悟を決め、心と身体とお金の準備をしようと思う。
作家とは村上春樹氏で、サロマ湖ウルトラマラソンを完走したあと、ランナーズブルーを経験し、乗り越え氏はこう書いている。
タイムは問題ではない。今となっては、どれだけ努力したところで、
おそらく昔と同じような走り方は出来ないだろう。
その事実を進んで受け入れようと思う。あまり愉快なこととは言いがたいが、
それが年を取るということなのだ。
僕に役目があるのと同じくらい、時間にも役目がある。
そして時間は僕なんかよりはずっと忠実に、ずっと的確に、その職務をこなしている。
何しろ時間は、時間というものが発生した時から(いったいいつなのだろう?)、
いっときも休むことなく前に進み続けてきたのだから。
そして若死をまぬがれた人間には、
その特典として確実に老いていくというありがたい権利が与えられる。
肉体の減衰という栄誉が待っている。
その事実を受容しそれに慣れなくてはいけない。
大事なのは時間と競争することではない。
どれくらいの充足感を持って42キロを走り終えられるか、
どれくらい自分自身を楽しむことができるか、
おそらくそれが、これから先より大きな意味をもってくることになるだろう。
数字に表れないものを僕は愉しみ、評価していくことになるだろう。
そしてこれまでとは少し違った成り立ちの誇りを模索していくことになるだろう。
村上春樹「走ることについて語るときに僕の語ること」
おそらく8年前より、より実感をともなって響く。
ー 今となっては、どれだけ努力したところで、おそらく昔と同じような走り方は出来ないだろう。
仕事においても、ランニングにおいても。
ランニングの変化は残酷なくらい端的に表れる。
当時は毎日5キロくらい走るのは日常だった。
いまはどうだろう。
毎朝毎夕、そのスタートラインに立つ気力がいつのまにか失われてしまった。
午前中のジョグだけではなく、出張、旅先のジョグ、仕事終わりのランステ。
日常が今やイベント化して、えいや! と自分を鼓舞しなければスタートラインに立てない。
理由はまずフィジカル、それが積み重なってメンタル。
要するにそれが年を取るということ なのだと実感する。
村上は正しかった。
ー その事実を受容しそれに慣れなくてはいけない。大事なのは時間と競争することではない。どれくらいの充足感を持って42キロを走り終えられるか、どれくらい自分自身を楽しむことができるか、おそらくそれが、これから先より大きな意味をもってくることになるだろう。
かなしいかな8年前と同じようなことはもう出来ない。
受け入れるのに少し時間を要したが、還暦から5年経って受容するに至った。
肉体の減衰を受け入れてもなお、生きていて楽しいと思えるマインドセットを用意することが必要だ。
気持ちよく、再びスタートラインに立つのだ。
過去にタイムトラベル。
これを書いた8年前58歳の自分に会ってきた。
2016年〜2020年、次の5年、59歳から63歳の自分を想像する。
今までとは違う変化が確実に訪れるだろう。
肉体的にも、精神的にも、経済的にも、自分のとりまく社会も。
この5年という時間の旅を、どんなふうに楽しむことが出来るだろうか。
肉体の減衰は避けられなかったけど、なんとかかんとか元気にやってるよ。
5年という時間の旅も悪くなかったよ。
それなりにがんばったね。
2023年7月、ここからの5年…67歳から72歳。
8年前の日記に倣って、これからの5年を思う を書こうと思う。
5年後72歳の僕は何て思うかな?
曇天、ときどき雷雨。
空模様が影響してか、気分はずっと低空飛行。
タイ語のコメンタリーが新鮮だ。
amazonプライムで肩の凝らない映画を一本見る。
2021年の映画「アイスロード」
リーアム・ニーソンやローレンス・フィッシュバーン出演のアクションエンタメ。
レビューではご都合主義が突っこまれまくっているが、僕はそれなりに楽しめた。
主人公はマイク、相棒の弟はイラク戦争で精神を病んでしまったガーディ。
日本兵の戦争PTSDの証言集会の動画編集をしているのでタイムリーだ。
マイク役のリーアム・ニーソンは70歳越えだそう。
舞台はカナダのマニトバ州のウイニペグ湖。
1993年だったか、州都のウイニペグへ行った。
女子バレーボール日本代表の取材だった。
街にはカジノがあって、生まれて初めて、おそらく人生で唯一のカジノを体験した。
ルーレットとスロットマシーンをやった。
証言集会の動画編集、後半になってなぜかメインカメラの音声がズレてきてしまう。
手動でインサートしたりで四苦八苦、目を酷使する。
夜、プールで歩く。
あしたは少し目を休めよう。