快晴!
初秋というにはまだまだ暑い。
それでもさすがに朝5時台の空気はひんやりして肌に気持ちいい。
今日は2日目、予讃線で松山へ、松山観光港からフェリーで呉へと渡る。
呉からの帰路は未定、体力に余裕があれば青春18ルートだし、疲れていたら広島から新幹線という選択肢もある。
■今治 | 予讃線(松山行) 45.8km | 06:01-07:12[71分] | 1,080円 ■三津浜
6時01分発の松山行きはさすがに空いていた。
しばらくは4人掛けのクロスシートを独占出来た。
途中から通学の高校生がちらほら乗ってくる。
部活の朝練だろうか。
浅海と書いて あさなみ と読む駅。
このあたり車窓いっぱいに瀬戸内の海がパノラマで流れていく。
海側のロングシートに座っている女子高生はずっとスマホを見ている。
この娘らは毎日こんな美しい海沿いの鉄路を通学してる自覚はないのだろうな。
予讃線は電化単線。
普通電車はすれ違い待ちや特急に抜かされたりで、短い距離でもたっぷり1時間はかかる。
松山に近づくにつれ高校生たちで混み出してくる。
乗換案内とGoogleマップを見ていたら…突然ひらめいた。
次の駅の三津浜で下りよう。
松山観光港までは松山駅まで行って、この伊予鉄道高浜線に乗る。
ならばショートカットしよう。
途中のセブンイレブンでコーヒーを買う。
若い頃、ヨーロッパを鉄道でバックパック旅をしている時にも、イタリアやドイツの名も知らぬ町の駅で次の電車待ちをした。
駅舎から小一時間ほど名も知らぬ町を歩いたりした。
そんな気分で三津の町を歩く。
伊予電鉄の駅へ行くと三津のガイドマップの英語版があった。
なんだかイタリアやギリシャを旅してる気分になる。
旅の朝、晴れて涼しくて気持ちいい。
それだけで他に何なくても、そんな旅の朝はいい。
こんな気分の映画があった。
アン・サリーの主題歌が聞こえてくる。
Ann Sally ( アン サリー) - あたらしい朝 - YouTube
三津浜って地名は忘れても、この朝の感じは記憶に刻まれる。
めぐる季節に
想いを馳せてごらん
不思議ね
皆同じように生まれ死ぬこと
分けるほどなく与えられた宝物
いつもこの手の中にある (アン・サリー「新しい朝」)
■三津 | 伊予鉄道高浜線(高浜行) 3.0km | 07:49-07:56[7分] | 180円 ■高浜(愛媛)
終点の高浜駅から海沿いを10分ほど歩く。
この道がいい。
風が、光が、景色がいい。
旅先で気持ちよく歩ける時間が共有できたらな、と思う。
今 あたらしい朝に
生まれたばかりの
鮮やかな景色が広がる
あぁなんて素晴らしい世界
あなたと歩けたなら
(アン・サリー「新しい朝」)
ぼくらの住むこの世界では、太陽がいつものぼり
よろこびと哀しみがときに訪ねる
(「僕らが旅に出る理由」)
■松山観光港 | 広島~呉~松山[F](広島港宇品旅客ターミナル行) | 08:25-10:20[115分] | 4,000円( 普通運賃 ) ■呉港[中央桟橋]
松山観光港からは広島、呉、小倉へフェリーが出ている。
瀬戸内海の東の方は淡路と鳴門、中央部は岡山(宇野)から高松へ何度も渡った。
一度は松山と広島も海路で渡りたいと思っていた。
たまたま青春18きっぷの計画をしているときに思いついた。
アイデアの流れはこんな感じだったと思う。
呉へ行きたい、呉線に乗りたい、一泊するなら四国もいい、産業遺産の別子銅山へ行きたい、新居浜からレンタカーで行こう、でも別子銅山で行きたい場所は専用バスを予約しないといけないらしい、ハードル高いな、じゃあまた別の機会にしよう、丸亀へ行こう、現存12天守だ、このルートで呉へ行くには…? フェリーがある。これに乗ろう!
天気にも恵まれた。
最高だ。
10時20分、フェリーは呉港に着く。
第一印象は、わ、都会だ!でした。
丸亀、今治と比べて、ですが。
呉ではレンタサイクルを借りてあちこち行こうと思っていた。
丘の上から呉港を見たい。
が、自重した。
暑い。
きのう観音寺で陽に炙られて懲りた。
ガクっと来た。
あちこち回るなら冬がいい。
大和ミュージアムへ行く。
呉の歴史を知る。
呉浦と呼ばれていた小さな漁村が、その立地のために数奇な運命を辿る。
映画や小説でかつての呉の興隆を知ることが出来る。
「この世界の片隅に」に描かれた軍需の街。
陸奥は横須賀の造船所で作られたが、大和ミュージアムに模型があった。
沈んだのはこの呉の沖だった。
人間魚雷「回天」や二機の魚雷を積んだ特殊潜航艇「海龍」が展示されていた。
「海龍」は魚雷発射後に自らも水中特攻艇となる。
しかし、ここに展示されていたのは出撃前に静岡で米軍に沈没させられたものだ。
特攻兵器はじっと見ていると吐き気をもよおす。
呉駅は1993年の夏に一度来たことがある。
はじめての青春18きっぷの旅だった。
乗り換えで数十分ほど駅前に立っただけだった。
「この世界の片隅で」で呉の街を俯瞰でとらえた絵は「呉港一望」という地らしい。
ブラタモリで紹介された200階段ある住宅地は
呉市は平地が少ない地形ですが、その平地のほとんどを海軍が軍用地として使用したため、市民は傾斜地に住むしかありませんでした。彼らの生活道としてこの階段は作られました。この両城地区には海軍士官が多く住んでいました。近くには呉空襲時に使われた防空壕が残されており歴史を感じることができる場所です。
夏以外の季節に来られたら電アシ自転車で巡ろう。
呉観光協会|Kure Tourism Association 広島県呉市の観光情報
駅前の森田食堂に入る。
ビール小瓶とだし巻き。
広島へ来たならお好み焼き(広島焼き)で吞みたい。
徳兵衛という鉄板焼きの店で豚玉そば焼きとレモンチューハイ。
昼過ぎ、呉線を選択する。
航空機工場や呉工廠の支部があった広駅で乗り換え三原まで海沿いを行く。
途中、竹原駅で途中下車しようかと迷うが自重する。
三原で乗り換えて尾道、福山、倉敷、岡山。
岡山からは何度も乗った山陽本線に乗りたくなかったので新幹線で西明石までワープする。
■呉 | 呉線快速安芸路ライナー(広行) 67.0km | 13:33-13:43[10分] | 2,640円 ◇広 [乗換1分+待ち30分] | 呉線(三原行) ↓ 前・後 | 14:14-15:41[87分] | ↓ ◇三原 1番線着・3番線発 [乗換3分+待ち0分] | 山陽本線(岡山行) 89.9km | 15:44-17:30[106分] | ↓ ■岡山 4番線着
■岡山 24番線発 | こだま858号(700系)(新大阪行) 120.6km | 18:09-18:59[50分] | 2,310円( 指定席 2,860円 ) ■西明石
■西明石 3番線発 | JR神戸線快速(野洲行) 40.5km | 19:10-19:54[44分] | 740円 ■西宮(JR)
帰宅は20時過ぎ。
エアコンなしでも過ごせそうな夜だった。