たぶん8時間以上眠った。
旅の空は快晴!
朝食前に屋上の露天ポリバス風呂へつかる。
朝の冷気が肌に心地よい。
「めちゃ気持ちいい」と室内の階段を下りて部屋に戻る。
「わたしも入ろかな」
ヒロも珍しく朝風呂に入った。
ほどよい量、おいしい朝食を朝の光の中で食べる。
ヒロはごはんをお替わりする。
「このポテサラめちゃおいしい」
宿の前の鳥居、車は通行禁止になっている。
見れば「元禄○年」と書いてある歴史ある鳥居。
「こわれたのは老朽化ですか?」
「いや、車がぶつかったんや」
「確かに低いですもんね」
「昔はここまで引くなかったんやけど、地盤沈下かで1m近く沈んだんで、車がぶつかったの2回あって、宮司さんに頭上注意って貼り紙してくれと頼んだんやど」
そういえば昨日の夕方、乗用車が通行禁止の表示盤の横をすり抜けて鳥居をくぐっていた。
事情を知っている地元の人なんだろう。
「昔はこの道もなかったんや」
と奥の鳥居との間を横切る道路を示す。
戦前、この先の善通寺に陸軍の師団が出来て、この詫間の港から戦地へ出港するために
この道が出来たらしい。
戦時中はこの道を出征する兵隊が行進していった。
「わたしの伯父も善通寺からフィリピンに出征しましてね。戦死しました。」
泊まるまではまったく知らなかった土地だったが、どこにも語られる物語はある。
ヒロと「なんかブラタモリみたいやね」と笑う。
「隣の仁尾は源平時代からの古い港で、そこにある父母が浜は砂に波紋が出来るんで
写真が趣味の人らに有名だったんやが、最近になってこんな人気になるとは思わんかった」
宿を出て、その父母が浜へ行く。
朝8時が干潮、どうなってるかな?
一面、広い砂浜だった。
細い水路がわずかにある。
映えスポットを探してまた撮影会。(笑)
昨日の背景は夕陽と湧き上がる雲。
今朝は青空。
舞台でいうホリゾントは天候によって変わる。
父母が浜は荘内半島のつけ根にある。
北西に突き出た半島に紫雲出山(しうでやま)という300mほどの山がある。
「紫雲出山からの景色はいいですよ」 宿主さんに薦められた。
車で頂上付近まで行けるらしい。
15分ほどで頂上付近の駐車場へ到着する。
駐車場から歩いて坂を上り10分で山頂展望台(352m)に行ける。
なるほど絶景!
瀬戸内海の多島美とはこれか。
瀬戸大橋からの車窓に感動していたヒロはこの風景、この多島美に魅入られたようで、
「瀬戸内海ってホントにきれいやなあ」
天気にも恵まれた。
宿主さんが言った。
「瀬戸内は四国から見た方が穏やかで綺麗なんや。航路から外れてて大きなフェリーや貨物船の往来は少ないし」
対岸からだと海は南側になるので逆光になることが多い。
燦めく海もいいが、海の青が出るのは順光で当たる四国側だろう。
紫雲出山は桜の名所でもある。
頂上の周辺にはソメイヨシノが1000本 植えられていて春はさぞかし賑わうだろう。
(あとで聞いたのだがバスか、予約制のマイカーで登るらしい)
紫雲出山は古い火山跡だ。
台地状になったメサという地形は高松の屋島と同じ。
瀬戸内海沿岸にはこのメサと讃岐富士(飯野山)のような頂上台地が狭いビュートがある。
もういちど父母ヶ浜に立ち寄り、デイリーヤマザキで昼ごはんを買う。
ここんとこ主にカーシェアを使っているのでレンタカーの満タン返しが面倒だ。
観音寺市内で入れる。
たぶん50キロも走ってないのでガソリン代は安いと思っていたら1300円ほどした。
軽なのに…。
30分ほど遅れて返却するが、追加料金は取られなかった。
担当者は父母ヶ浜の近くに住んでいるらしく。
写真を見せたら喜んでもらった。
紫雲出山の桜の時期の情報なども教えてもらう。
駅まで歩く道で松山行き特急が走るのを見た。
次の特急まで約1時間ある。
観光案内所の前のベンチでカレーパン、卵サンドを分けて食べる。
駅の売店で缶ビールを買う。
■観音寺(香川) | いしづち11号(松山行) 137.9km | 13:38-15:17[99分] | 2,750円( 指定席 2,390円 ) ■松山(愛媛) 1番線着
去年は今治から三津浜まで青春18キップで乗り、伊予電鉄の三津駅まで歩いて松山観光港まで行った。
松山駅も、松山の市街地も歩いてはいない。
松山駅が高架になっていた。
新幹線の駅のよう。
勝手が分からず、城側へ出るのに戸惑う。
路面電車でホテルのある清水町まで乗る。
格安のビジネスホテル「ホテル泰平別館」にチェックイン。
和室に敷いてある布団に横になる。
5. 道後温泉
6時近くになりすっかり暗い。
この宿には無料のレンタサイクルがある。
ママチャリで走ると住民気分になる。
ヘルメットを被った女子高生に交じって高齢者夫婦が道後温泉へ向かう。
道後温泉駅にはちゃんと無料の駐輪場があった。
「西宮にもこういう無料のがあったらいいのにね」とヒロ。
道後温泉をそぞろ歩く。
ヒロは有名な温泉本館が見てみたいだけだったが、観光客としてザ・観光をする。
土産物屋をひやかし、蛇口から出るミカンジュースを飲み、温泉本館で写真を撮り…
けっこう楽しいぞ。(笑)
夕食は「つるちゃん」という観光客向けだろうと思われる店。
夜は胃を疲れさせないように うどん にする。
松山は鍋焼きうどんが日常食としてあるという。
鍋焼きうどん好きとしては見過ごせない。
メニューを見ると豪華な全盛りの鍋焼きうどんとは別に「松山名物鍋焼きうどん」がある。
全盛りは1500円、これは900円、これだ!
(街場の大衆食堂では500円ほどであるみたい)
ほどなく出てきた!
アルマイトの鍋、取っ手が焦げているのが味。
まずツユを飲む。
甘い!
松山鍋焼きは甘いのだ。
ま、悪くない。
もちもち麺だ。
向かいの大きなテーブルには中国人観光客の6人グループが横並びで坐っている。
注文がなかなか決まらず、僕らが食べ終わる頃に注文していた。(笑)
ふたたび自転車でホテルに戻る。
本館の大浴場(道後温泉からの引き湯)で温まる。
以下、写真&キャンプションを追記します。