仕事のことは何も考えず過ごそうと決め、秋晴れの一日を始める。
何も食べず朝イチでかかりつけの内科クリニックへ行く。
自転車で急いで行ったせいか血圧が140-80と高めに出る。
これくらいでちょうどいい。
今日は採血があった。
腹減った。
このあとは…朝食 → 西宮北口のガーデンズ → 映画を観る → 無印良品 他で買いもの → 帰宅 という段取り。
朝食は…さて、どこへ行こう。
星乃珈琲か、コメダか、迷っていると目の前に「ジョリーパスタ」があった。
数日前に観たドキュメント72時間が東京足立区のファミレスだった。
そこで毎朝必ず同じ席で同じ朝食を食べる90歳の老人がいた。
ファミレスで朝食、いいかもしれない。
ホームページに「モーニング再開!」とあった。
コロナ過で止めていたのだろうか。
パスタ屋なのでスープスパゲッティやリゾットもある。
迷ってシンプルなトースト(デニッシュ)とベーコンエッグとサラダのセットにする。
オーダーはタブレット、サラダはドレッシング無しでと口頭で伝える。
まだ10時前、僕の他には奥に何かイベントの打合せをしているおばちゃん4人組だけ。
早朝のダイナーのようで居心地はいい。
10時過ぎて若いカップルが一組入ってきた。
図書館で借りてきた庄野英二の随筆「ロッテルダムの灯」を読む。
この本はエッセイストクラブ賞受賞作だ。
静かな筆致で日中戦争の従軍時のことを綴っている。
これで590円(税込み649円)はリーズナブル。
パンは甘いデニッシュではなく、シンプルな薄切りのトーストがいい。
サラダには塩とコショウとオリーブオイルをかけた。
市役所通りの並木が色づいている。
ケヤキだろうか。
小春日和、日射しがやわらかく暖かい。
気持ちいい朝食だった。
きのうたまたま予告動画を観た「十一人の賊軍」を観ようとそのままガーデンズへ転進。
水野家のミンチカツサンドが欲しかったが、コロッケサンドしかなかった。
ビールのつまみに丁度いい小さなミンチカツサンドだったが、もう作ってないのだろうか。
『十一人の賊軍』@TOHOシネマ西宮
観たいと思ったのはこの物語が新潟(越後)の小藩 新発田藩が舞台だということ。
脚本(原案)があの笠原和夫だということ。
監督が白石和彌だということ。
「侍タイムスリッパー」を観て、殺陣の素晴らしさに魅せられた。
この映画で仲野太賀と本山力(「東映剣(つるぎ)会」所属)の殺陣が素晴らしい というレビューを読んだこと。
お笑い芸人の千原せいじ、ユリアン、ナダルがどんな演技をしているか見てみよう。
以上の理由で映画館へ足を運んだ。
江戸幕府から明治政府へと政権が移りかわる中で起こった戊辰戦争を背景に、11人の罪人たちが藩の命令により決死の任に就く姿を描いた時代劇アクション。「日本侠客伝」「仁義なき戦い」シリーズなどで知られる名脚本家の笠原和夫が残した幻のプロットを、「孤狼の血」「碁盤斬り」の白石和彌が監督、山田孝之と仲野太賀が主演を務めて映画化した。
1868年、江戸幕府最後の将軍・徳川慶喜を擁する旧幕府軍と、薩摩藩・長州藩を中心とする新政府軍(官軍)の間で争われた戊辰戦争。そのさなか、新政府軍と対立する奥羽越列藩同盟に加わっていた新発田藩(現在の新潟県新発田市)で繰り広げられた、同盟への裏切りのエピソードをもとに、捕らえられていた11人の罪人が、新発田藩の命運を握る、ある砦を守る任に就き、壮絶な戦いに身を投じる姿を描く。
山田孝之が、妻を寝取られた怒りから新発田藩士を殺害して罪人となり、砦を守り抜けば無罪放免の条件で決死隊として戦場に駆り出される駕籠かき人足の政(まさ)を演じ、仲野太賀は、新発田の地を守るため罪人たちと共に戦場に赴く剣術道場の道場主・鷲尾兵士郎役を務める。彼らとともに決死隊となる罪人たちを尾上右近、鞘師里保、佐久本宝、千原せいじ、岡山天音、松浦祐也、一ノ瀬颯、小柳亮太、本山力が演じ、そのほかにも野村周平、音尾琢真、玉木宏、阿部サダヲら豪華キャストが共演。2024年製作/155分/PG12/日本 配給:東映 公開日:2024年11月1日
2時間半の長い映画だった。
それなりに楽しめた。
残念ながら大傑作とは言えない。
娯楽作としてはうまく出来てると思う。
ところどころ説得力(必然性)が欠けるために、感情移入が出来ない。
そもそも死罪の罪人にこんな戦闘能力があるのか?
いや、そこんとこは問うまい。
新発田藩の家老の約束として、命がけで闘い砦を期限まで守り通したら無罪放免、
それを疑いもなく信じるかな。
ま、闘わなければ死罪だしな。
闘ったあとは逃げるべしなのだが、当時はそれも簡単ではなかったのかな。
そのあたりがずっと歯に挟まった食べかすのように気になった。
新発田という地名を知ったのは金沢大学の学生寮か、文学部の同じクラスに新発田出身の男がいたからだ。
柴田でも芝田でもなく、新発田をシバタと読ませるのか、と。
ひどく訛りの強い男だったのを記憶する。
「○○やるろ」(○○をやりますよ)とかの方言があるのを初めて知った。
思えば大学寮というのは見知らぬ国訛りの宝庫だ。
その後、数年前にセルジオに「新発田という土地は周りから嫌われている」という話を聞いた。
なぜなら裏切り者だったから、と。
この映画で知りたかったのはその事情だ。
隣は佐幕派の大藩 長岡藩 。
その長岡も新政府軍に攻められ城を焼かれた。
おりしも仙台藩や会津藩を中心とした奥羽越列藩同盟が結成、新発田藩に同盟への参加を半ば脅しで求めてくる。
幼い藩主は新政府軍に恭順しようとするが、それをしたら列藩同盟に城を焼かれる。
小藩ゆえの悲哀。
たいていは運命に弄ばれ悲惨な結末となる。
小藩は、小国は、小都市は、欧州戦線でも、朝鮮戦争でも同じような運命にあった。
新発田藩の悲劇はそういうことだったのか。、
それがわかっただけでも映画を観た甲斐があった。
阿部サダオ演じる家老にも同情する。
映画を観て、フードコートでうどんを食べた。
無印良品でひとりファッションショーをして、ノーカラーダウンとロングTシャツを買った。