今日は刈谷へ日帰り帰省。
行きは新幹線自由席(5400円)、帰りは近鉄特急ひのとりプレミアム(4680円)。
*ともに名古屋までの片道 名古屋〜刈谷は別料金
往復おそよ1万円ということか。
新大阪から「こだま」の自由席で行く。
とても空いていて気持ちがいい。
およそ1時間で名古屋に着く。
米原から持参の自家製いかめし弁当を食べる。
車窓に黄金色の稲田と堂々とした伊吹山が流れていく。
眠らずに名古屋、日帰りには「こだま」がベストかな。
名古屋駅の通路に京都と奈良のポスターがある。
こういうのを見ると、近畿圏を出たな、という実感あり。
「こだま」でも近鉄特急の半分ほどで着いてしまう。
時間はたっぷりあるが、この暑さだし、疲れることは避けたい。
かといって昼間から呑んで時間をつぶすほど胃腸に自信がない。
ヒロのお薦めで名古屋駅前のデパートで果物、母の好物の無花果(いちじく)を買う。
高島屋の地下2階はなかなか充実していた。
いつも帰りの車内で食べる弁当は名鉄百貨店の地下で仕入れたがこっちのが魅力的だ。
少し高いが視覚的にすごく美味しそうな鮨や弁当や惣菜が並んでいる。
帰省の楽しみが出来た、と喜ぶ。
新快速で刈谷へ行く。
僕が中学生のころから続いているいわば老舗の画廊喫茶。
建物も、店内の仕様も当時のままらしくヴィンテージ、年代ものの純喫茶。
この喫茶「巴里(パリ)」に「孤独のグルメ」の原作者 久住昌之氏が訪れたと妹から教えてもらった。
今日は9時前だけどまだ涼しい。セミは必死で鳴いている。これは先日刈谷市の古い喫茶店・巴里で食べたモーニングセット。トースト2種、厚くておいしかった。550円。常連さんで混んでいた。 pic.twitter.com/iOBprPWLSj
— 久住昌之 (@qusumi) 2024年8月28日
父の姉の長男ヨースケさんがやっていると聞いた。(父も父の姉も故人)
駅から700mほど、タクシーで行く距離でもないので歩き出す。
正午過ぎの炎天下、信じられないほどの熱に炙られる。
誰も歩いていない。
20分ほどで「巴里」に到着。
7時開店、13時閉店と妹から聞いていた。
12時半に入る。
店はランチの客でほぼ満席だった。
「いらっしゃいませ」、厨房の方からも明るい声で「いらっしゃいませ」
テキパキと動く老婦人にアイス珈琲を注文。
厨房を覗く。
ヨースケさんがいた。
30年以上会ってないが面影がある。
僕より7つほど年長だと思う。
七十代半ばか、白髪で禿げあがっているが矍鑠として動きは軽快だ。
店は忙しい。
声をかけるのをためらう。
そもそも何て言えばいいんだろ。
隣りの若い夫婦連れに湯気を上げた一品が届く。
「ここの焼きそば食べたかったあ」と嬉しそうに男が言った。
元気そうなのを見られただけでもいい。
通りがかりの匿名氏として400円払って店を出た。
また暇な時間帯に来よう、と心でつぶやくが、半分くらい、それはないだろう、と思っている。
ヨースケさんが厨房から明るく「ありがとうございました!」
店内のBGM「ジャニーギター」の哀しげな音色が被った。
実家までは2キロほどある。
タクシーで行こうと思ったが、ATMで祝儀を引き出したい。
駅前のショッピングモールまで歩いて戻る。
バローの店内でしばし涼む。
涼むとまた少し歩ける。
結局、炎天下4キロ近く歩いてしまう。
びっしょり汗はかかない。
ぐったり汗をかく。
5月、母の日以来の実家。
お祝いのいちじくとプラムを渡す。
「イチジク大好き」と母。
「いつもぼんやりしとるけど、お兄ちゃんが来るとシャキッとする」そうだ。
「今日が誕生日?わたしいくつになった?」
御年92歳になりました。
妹の由美子がスイートポテトのケーキを用意していた。
蝋燭を5本立てて、ハッピーバースデイを3人で歌って、ろうそくの火を吹き消した。
「こんな誕生日祝いなんて何年ぶり}」と母。
しばし昔話で記録の底にある沈殿物をかき回した。
帰りはタクシーを呼ぶ。
名古屋で「ほのとり」のプレミアシートを予約する。
一人席は1時間後しか取れなかった。
立ち吞み焼きとんの「大黒」で生ビールとホッピー。
あっさり諦める。
代わりに駅構内のファミマでコンビニのミニ弁当と翠ジンソーダ。
激しいグレードダウン。
がっかりして「ひのとり」に乗りこむ。
愉しみのない2時間半は長い。
酔いはすっかり冷めて帰宅後、プールへ行く。
以下、写真&キャプションで追記します。