ぷよねこ日々御留書 since2023

「にちにちおとどめがき」 毎日更新 日々の記録です。

2024年5月20日(月) 夕景が美しいのは? それが人生でもっとも美しいからだ。

 

誰かを誘って現状一番ローバジェットな店が「マルキン酒店」です。

 

雨上がる。

水曜日から4日間、陸上の関西インカレの取材。

取材の翌日から編集という日程が組まれている。

自宅から行き帰りの体力負担を軽減すべく自腹で京都に泊まる。

ちょっとマシなカプセルで一泊3500円、大浴場つき、現場まで30分以内。

スケジュールが密な時はこうして少しでも負担を減らしておくのも知恵だ。

いまどき京都市内にこの値段で泊まれるのは助かる。

 

 

購読中のブログにこんな投稿があり、興味深く同調して読んだ。

qianchong.hatenablog.com

私は間もなく定年を迎えます。いま勤めている職場は還暦が雇い止めで、その後も再雇用などの道はありますが、いったんこれで宮仕えはおしまいになります。とはいえ、若い頃から就職したり就職し(でき)なかったり、転職したり失業したりフリーランスになったり……を何度も繰り返してきて、今の職場も正職員としては都合5〜6年ほどしか勤めていませんから、定年といっても大きな感慨や職場に対する未練みたいなものは、それほどありません。

ただ、定年に際して感慨や未練みたいなものはなくても、その後に対する不安は大いにあります。私自身はたいした資産も持っていませんし、自宅も賃貸です。体力も最近とみに衰えが目立ってきましたし、なにか腕一本で食べていけるだけのスキルや資格があるわけでもありません。かりに今の職場に再雇用されるとしても、手取り収入はおよそ半分ほどに減ります。若い頃はけっこう不摂生も重ねましたからそんなに長生きできるとも思いませんが、それでも平均寿命でいけばあと20年ほどは食べていかねばなりません。

この方は還暦前なのか。

長年読んでいるとブログ氏は外国語というスキルがあるのだが、腕一本で食べてゆくのは難しいのだろうか。

ま、いろいろと事情もあるし、フリーランスというのは楽ではないのは何となくわかる。

この記事でカズオイシグロの「日の名残り」について言及されている。

僕もこの映画は観たが、おそらく40代の頃だったので、いまとは見え方が違うのだろう。

こんな台詞があるのだという。

もちろん記憶にない。(笑)

'You've got to enjoy yourself. The evening's the best part of the day. You've done your day's work. Now you can put your feet up and enjoy it. That's how I look at it. Ask anybody, they'll all tell you. The evening's the best part of the day.

「人生、楽しまなくっちゃ。夕方が一日でいちばんいい時間なんだ。脚を伸ばして、のんびりするのさ。夕方がいちばんいい。わしはそう思う。みんなにも尋ねてごらんよ。夕方が一日でいちばんいい時間だって言うよ」

qianchong.hatenablog.com

以前に見た時は…ただ静かな映画だなという印象しかなかった。

「夕景が美しいのは?  それが人生でもっとも美しいからだ。」

もう一度観よう。

今ならもっと味わい深いと思う。

本でもいいか。

夏の朝の読書リストに入れておこう。

 

 

午前中は先週が雨でパスしてしまった眼科の定期健診に行く。

眼圧、視力、眼球の撮影、瞳孔を開く点眼剤を入れて眼底のチェック。

五月の光の眩しさの中、眼を細めて帰宅する。

次は11月に視野検査(緑内障)の検査がある。

 

午後から出社して、水曜日からの準備をする。

5時半、ちょっと吞みに行くか。

ちょっとだけ吞みたい、でも独酌な気分ではない、でもがっつり吞みは避けたい。

そんなとき、吞みに行く相手は極端に少ない。

以前は自分も元気なので相手に、相手のペースにつきあう体力があった。

今は体力がないから独酌しがちになる。

誰かと吞むと勝手に終わることは失礼だろう。

だから自然と一人飲みになるのだ。

誘うということはそれなりにその相手に合わせないといけない。

軽く、セルジオが家にいたら…とラインする。

彼の家は谷町二丁目で、歩いてすぐのところに安い店がある。

負担は少ないだろう。

 

で、午後6時過ぎから「マルキン酒店」

家族経営のオオバコ立ち吞みで気楽でいい。

この季節、入口も開けっぱなしになっている。

初夏、夕暮れ、一年で、一日でベストな時刻。
暖簾の向こうは街、いい風が吹いている。

 

キリンビール大瓶を半分、賀茂鶴のワンカップを飲む。

店のトイレの前にこの店の子供(小学生の女の子)が書いた作文が貼ってあった。

「私の夢はお父さんとイタリアンの店をやることです」

この店は子だくさんの大家族。

学校から帰ると店の手伝いをする。

自分にはなかった人生。

人生2周目を思う。

セルジオは7時には自宅で夕食、ということだったが、もう一軒だけ行く。

 

センベロなシアワセ気分で店を出る。嬉しすぎてこの笑顔、お恥ずかしい。

 

木下酒店のカウンターの端に座り角ハイ缶と豆菓子。

二人で1000円以下でした。

夕暮れの風に吹かれて天神橋筋を北上。

9時前に帰宅する。